2014年12月05日

新人の人が来ると

 ◯協の配達の人はだいたい1,2年で交代する。今来ている人は20代前半の、まだ働き始めたばかりのような若者で、何もかもマニュアル通りといえばそうなのだろうけれども、注文品を手渡す時には必ず袋ごとに内容(冷凍品です、農産品です、日用品ですなど)を言い添え、袋の底が保冷剤で濡れていればきちんと拭いてから渡してくれるし康泰領隊、重ければ重いですと、しっかり手を添えてくれる。もちろん「こんにちは」と「ありがとうございました」の挨拶も正しくさわやかで、今までの誰よりも丁寧な仕事ぶりだ。ただ、まあ、それだけで、他に特別な印象は何もなかった。もともとわたしは相手の顔をまじまじとは見ないし、余計な世間話もこちらからはしない。いつも機械的に同じやりとりをして笑顔で受け取るだけだ。

 その若者が配達に来るようになって半年は過ぎただろうか。先日ドアを開けると、いつものように「こんにちは」と挨拶をした後、カートの上の箱から注文品を出しながら「すっかり寒くなってきましたね」と、今までにはなかった言葉を発した。いつもと違うパターンに内心で、え? と思いながら無難に「そうですね」と返して、それから「雨、まだ降ってますか?」と聞いてみたら、「ええ、もう、じゃんじゃん降ってます」と気さくに答えてくれる。

 おお、初めてこの人と会話したわ、何かふっきれたのかしらなんて思う反面、ひょっとして、この人はいつものお兄さんじゃなくて別の人なのかしらという気がしてきた。何しろ顔を覚えるのは苦手だ康泰領隊

 でも、そういえば、若いのに結婚指輪していることに気づいたことがあったわと思い出して、この人の指にも指輪があればいつもと同じ人ねと思うのだけど、どうしても故意に左手を見ることができない。それでその日は謎のまま終わった。そして次の週、ドアを開けたときの印象はやっぱりいつものお兄さんで、その人が「こんにちは」の後、「今日はいいお天気でしたけど、やっぱり日が暮れてくると寒いですね」みたいなことを言う。
 
 ああ、そうか。こういう言葉が出るようになったのは、やっと仕事に慣れて肩の力が抜けてきたってことなのかな。毎日何軒も配達に回って、いろんなお客さんに接しているうちに、世間話も自然にできるようになったんだろうcellmax 團購
 
 新人の人が来ると、そうやって少しずつ変わっていくのを見ることができて、なんとなく嬉しいことがある。最初はぎこちなかったのが、目をちゃんと見て挨拶するようになったり、愛想笑いも柔らかくなったりということは別の人のときにもあった。そうして(どちらかというと私が)慣れた頃には、別の人と交代することになり、少し残念に思ったりするのだ。
 
 でも、ふと思ったのだけれど、そうやって成長していくのを見て感心している私は、実際には彼らにほとんど関わっていない。まず、余計なことは話しかけないし、文句も言わないし、私はただそこにある宅配ポストみたいなお客さんだ。もちろん、笑顔で感謝やねぎらいの言葉はかけるし愛想よく接しているつもりだけれども、他所にはもっと人情味のある(?)お客さんがたくさんいて、彼に何かしらの影響を与えているんだろう。たとえば袋の底を拭いてくれるのだってcellmax 團購、誰かに「袋が濡れてるじゃない」と言われてから慎重にやるようになったのかもしれない。
 
 なんだか偉そうに「成長したなあ」なんて思って見ている私だけど、向こうにしてみれば「あ、やっとサクライさんがしゃべってくれた」ってなところかもしれない。


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