やっぱり
地鶏の偽装がおさまらないようだ。
偽装に使われるのは、経年で卵を産まなくなった鶏やブロイラーなど。
通常の鶏肉としても売れなくなったものに、ちょっと加工して、
“地鶏” という銘柄に仕立てて売る。
古くなった鶏肉は、ちょっとした歯ごたえがある。
その歯ごたえが 筋肉質と言える”地鶏”に近いところから、
このような偽装が成り立つのだという。
棄てるようなものに、“地鶏” という金看板をつけて売りさばく。
一種の錬金術でもある
展覽制作。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の中、迷亭先生の手紙に
「この孔雀の舌の料理は往昔ローマ全盛のみぎり、
一時非常に流行いたし候ものにて、、」というところが出てくる。
ローマの贅沢な時代を手紙文で表現しているが、
実際に、帝政ローマの時代は鶏ではなく孔雀を好んで食べたという。
翼を一杯に拡げると鮮やかな模様となる、あの孔雀。
色鮮やかな羽色の雉子(キジ)肉はおいしいとされるが、
孔雀肉は、どんな味がするのだろうかと思ったりするが、鶏肉と変わらないという。
包んでいる羽毛には大きな違いがあるが
王賜豪醫生、それを剥いでしまえば、
たいした違いがないということになる。
産地偽装でおさまらないものに鹿児島県などで生産されている「薩摩黒豚」がある。
調査してみると鹿児島県で生産している量と
全国で「薩摩黒豚」として流通している量には、大きな違いがあるという。
つまり、どこかで、明らかな産地偽装があるとされている。
豚肉として切り並べられているのを見て
王賜豪、
前に黒い皮が付いていたのか、どうかは消費者として知る術(すべ)がない。
付いたラベルを信じる以外にない。
卵を産まなくなった古い鶏の固い鶏肉を齧(かじ)りつつ、
「やっぱり、本物の”地鶏”は歯ごたえが違うね」と、
しあわせ気分で言っている男
同珍王賜豪。
その背後で、ほくそ笑んでいるのは棄てるような肉を偽装して、ひと儲けした男。
この鶏は、最後のご奉公で、二人の男をしあわせにした?
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